SS「VOCALOID」みんなで その2

やっぱり、来るんじゃなかった。ネルは改めてそう思った。

時間が経つにつれて増してくる疎外感。

しかたがないので、携帯をいじって時間を潰す。

思っていたんだけど

なんだ、こいつは

さっきから、邪魔くさい

「なあ、ネル聞いてるか?」

また、あいつが話しかけてきた。

「なに、またさっきの、うろなんとかっていうやつの話?」

こいつはこの年になって、妙な戦隊ものが好きでよく見ている
放送されるたびに、延々とその感想を聞かされる。

そんな話を聞かされるほうとしては、いい迷惑だ。

「違うよ、このチキンが美味しいから食べてみないか?」

さらに動でもいい話を振ってくる。

「あんた、盛り上げ役じゃなかったの}
さっきからこいつは、私にちょっかいだしてくるだけで何もしていない

「盛り上げ役は適任を見つけたからいいんだよ」
そいって、ちらりとそちらをみる。

私もつられてそっちを見てみると

ロードローラーごっこをしているリン達にKAITOが
潰されているところだった。

「あんたも手伝いなさいよ」
こいつはいつもこうだ、なにもしない。

「それより相談があるんだ」
また、ろくでもない相談かと身構える。

「実は作曲に協力して欲しい」

「はぁ?」思わず聞き返す。

「俺は作曲ができない。
このままじゃいけないと思うんだ。
曲のフレーズを考えたりするのを
ネルに手伝って欲しい」

この人は何を言い出すんだろう。
私にできるわけがない。

「こんなことネルにしか相談できない
頼む、手伝ってくれ」

いつものおちゃらけた雰囲気と違って目が真剣。

「なにマジになってるの、あんたらしくない」
そう、こいつはこんなキャラじゃない・

「確かに、キャラじゃないな。
でも、このままじゃいけないと思うんだ。
今の状況でも楽しい。
だけど、あいつらは”歌うために”生まれてきたんだ
あいつらにちゃんとした曲を作ってあげたい」

私に手伝えるわけがない。
あの輪の中に入る勇気がない。

でも・・・

勇気を出してみよう

あの輪の中に

踏み出せば何か変わるかもしれない

「分かったわよ」

それを聞いたあいつは、私のあたまをくしゃっとして、ひとこと
「サンキュ」
それだけいって、ミク達のところへ戻っていった。

作曲の手伝い。

わたしもあの中に入れるようになるのだろうか。

そう思っていると

「ネル、こっちにきてみろ、KAITOの着せ替えで遊べるぞ」

まったく、馬鹿な遊びばっかりしている。

でも、たまには、そんな遊びに付き合うものいいかもしれない。

とりあえず

KAITOにメイド服を着させておいた。

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