SS「VOCALOID」少年と少女

なんで、”あー”としか、歌わないの?
少女は、さっきから”あー”としか歌わない少年に問いかけた。

「この歌には歌詞がないんだ。」
少年は俯き加減に答える。

「そうなんだ、でも、いいメロディーね」
そう少年に答えると、少年は、

「ありがとう、でも、出来ればちゃんと歌いたい
 だけど、歌詞がないんじゃ、どうにもならない」
ややあきらめた感じで答える。

「歌詞をつくってもらえばいいじゃない」
つい、そういってしまった

そういってしまったときの少年の悲しそうな顔が忘れられない。

重い沈黙が流れる

しばらくして、少年はぽつりぽつり話し出す。

マスターから歌をもらって、一生懸命に歌ったこと。
けれど、マスターは不納得で、その歌を消してしまった。
そして、残ったのはメロディーのみ。

歌わせることをあきらめたマスターは、自分を捨てたこと。

今にも泣き出しそうな顔で一生懸命に話す。

「わかったわ」
それを聞いた少年は不思議そうに少女をみた・・・

「私が歌詞をつけてあげる」

少年はきょとんとしている。
状況が理解できないみたい。

私が作詞家ということが信じられないのかしら。

「私が歌詞をつけてあげるから、完成したら、また歌を聞かせてね」

そう私がいうと、少年は目を輝かせて頷く。

「私は、れもん。あなたのお名前は?」
そう聞くと、少年は

「レン、、、、鏡音レンていうんだ」

じゃあ、あとはレン君を調教できる人を探さなくちゃ。

いつまでも浮かれているレンに

「レン君、調教師を探しに行くわよ」
レンの手をとって、調教師を探しに出かけた。

「れもん、一緒に探してくれるの?本当?」

当たり前じゃない。

「ほら、一緒に行きましょ」
そう声をかけると

後ろを歩いていたレンが隣に並んだ。

一緒に、調教師を探そう。


SNS「にゃっぽん」でのあしあとキリバン記念創作

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