SS「VOCALOID」七夕の願い事【マスタ(女)&KAITO】

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女性マスターとKAITOの話です。
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「KAITO、願い事は書けたの?」そういいながら、どんな願い事を書いたのか
みようと覗き込むがブロックされて見られない。

よほど恥ずかしい願い事を書いているのかな。
何が何でも見たくなる。

そんな風に願い事を見るためにいろいろとやってたら、ふいにKAITOが
私が短冊に何を書いたか聞いてきた。

私の願い事はとても普通。
”KAITOが歌う曲が作れますように”

KAITOのマスターになって結構経つけど未だに曲ができず
そのためKAITOに歌わせてあげることができない。

正月の願い事もこれだったし、もはや定番の願い事になっている。
「いつもの願い事よ」というだけで、KAITOもわかったみたい。

曲が出来たらきっとKAITOは喜ぶだろうな。

KAITOが歌うために作られた存在だということも分かっている。
私が歌わせるために存在するのも分かっている。

でも、それだけの関係でいたくないという気持ちがずっとある。

曲を作りたくないなんて、いったらKAITOはどう思うかな。

怒るだろうか
悲しむだろうか
呆れるだろうか

どちらにしても、私の気持ちは伝えられない。
今の状況を維持するだけ。

そんなことを思っていると、願い事を書き終えたKAITOが短冊を吊るすために
立ち上がっていた。

しかも、私が内容を見られないように私の手が届かないような高い場所に
短冊を吊るしている。

どうせ
 アイスがお腹いっぱい食べたい
 歌が歌いたい
とか、だろうし、必死に隠さなくてもいいのに。

KAITOは変わらない。
KAITOは何時もどおり私に笑っていてくれる。

でも、私は日を追うごとに笑えなくなっている。
いつまで続けられるだろうか。

顔にでていたのだろうか、心配そうに私の顔をみている。
慌てて”何でもない”とうそぶく。

KAITOは何を思ったのか、いきなり私を抱きかかえて短冊のほうに移動する。
「僕の願い事、マスターは叶えてくれますか?」

目の前には、KAITOが先ほど吊るした短冊があった。































”歌わない僕でもずっとマスターの傍に居られますように”

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