【艦これSS】北上さん 暗い話

北上といえば
 ・駆逐艦うざいとかいって毛嫌いしている
 ・いつも適当で悩みがなさそう
 ・横からMVPを掻っ攫っていく
 ・あれで秘書艦が務まっているとは思えない

どうにも評判がよろしくない。
そんな北上さんのひとこま。




深夜、人の寝静まった鎮守府。
北上は、ひとり海を見ていた。

まっくらな海。
みていると何か得体の痴れないものが潜んでいそうな感覚。

自分を慕い、自分のもと、回天を装備した散って逝った駆逐艦達。
今でもあの艦たちの顔が頭を離れない。

笑顔で慕ってきた艦が徐々に笑顔がなくなり逝ってしまう。
もう二度と味わいたくない。


柄にもなく提督にあの装備はしないようにお願いしたこともある。
本当に、柄じゃない。


じゃり……

そして、こんな時間、こんな場所に来るものがいる。


「雪風、子供がこんな時間に一人で出かけていると怒られるよ」
なんて軽口をたたいてみる。


双眼鏡を目にしても歩きにくいだけだろうに。
まったく。

そのまま、私の前に雪風を座らせる。


「子供の一人歩きは危ないので保護しました!!」
なんてね。



「雪風、無理に我慢する必要もないんだよ。」
優しく頭をなでてみる。
鎮守府では、明るく、前向きな雪風。

しばしば夜にこうやって出会う。


たぶん、この艦は、自分なんかよりもっと地獄を見てきたのだろう。
その明るさはどこか危うい。


地獄の戦地でどんな思いをしてきたのだろうか。
この艦に比べれば自分なんて、たいしたことはないのだろう。

自分はみないようにするだけ。
この艦はいまでも目を背けず見続けようとしている。
とても強い艦。

自分なんかよりすごく強い。


強いこの艦も自分と同様に昔を思っているのだと思ってどこか安堵する自分。
本当に弱い。


また大井が逝ってしまったら。
また、駆逐艦をひきいて、みんないなくなるのではないかと思ってしまう。


「なあ、雪風。今度は誰もかけることなく終わるといいな。」
雪風はこくりと頷き、
「今度こそ、みんなをお守りします。」
そんなことを言う。
本当に強いよ。










昔を思い出させる駆逐艦が嫌い。
駆逐艦を直視できない弱い自分が嫌い。
弱い自分を自覚させる駆逐艦が嫌い。

駆逐艦達は自分を慕ってくる。
本当に……


本当に。自分が許せなくなる。




誰一人欠けることなく、この戦いを終わらせたい。
そんな無茶なお願いを真面目に達成しようとする提督。


臆病者とか散々いわれていても、何も言わずにみんなが沈まないようにする提督。
北上は提督の秘書艦で本当によかったです。




以上。
オチなくおわり。

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